講座 臨床から公衆衛生へ
小児の腎疾患
山本 博章
1,2,3
1川崎協同病院小児科
2川崎セツルメント診療所
3日本医科大学
pp.129-131
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205782
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予想外に多い腎疾患■
学童の長期病気欠席(連続50日以上)の病因ワーストスリーは,心臓病,喘息とともに腎疾患であり,順序の変動はあるが,例年,これらがトップグループを占めている.
厚生省特定疾患慢性腎炎調査研究班とネフローゼ症候群調査研究班は,1974年と1975年の2年間,慢性腎炎,ネフローゼ症候群および慢性腎不全の患者数について,全国疫学調査を実施している2)3).1975年の1,505施設の回答の結果によると,慢性腎炎患者総数は18,630人(同年度新患数3,225人)で,そのうち14歳以下の小児は2,841人(15.25%),ネフローゼ症候群患者総数は7,958人(同年度新患数2,064人)で,うち14歳以下の小児は2,960人(37.20%)であった.両研究班の推定によると,わが国における慢性腎炎の患者数は153,000人,慢性腎不全は35,000人,ネフローゼ症候群は18,800〜23,800人,うち15歳未満の推定ネフローゼ有病率は人口10万人当たり30〜35人,全国のネフローゼの推定小児患者数は7,500〜8,800人と述べている.
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