日本列島
輸入猿も罹患した赤痢の発生—宮城県
土屋 真
1,2
1宮城県築館保健所
2若柳保健所
pp.601
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205680
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昭和53年5月29日の夕方,「K家で82歳の老婆が死亡し,家族も発熱と下痢を訴え食中毒と思われる」との最初の情報が開業医から保健所に入った.K家は県北内陸部農村の6人家族の農家で,5月21日に仙台のA店で購入した赤毛猿(1歳未満の雄・ラオス産)1匹を飼っており,ことに若夫婦と1歳半の幼児と猿が同室に生活し,夜も抱いて寝るほどの可愛がり方だった.
医師の情報直後からの衛生課職員や保健婦からの疫学調査によると,すでに23日から幼児が消化不良として医療を受けていること,また24日には猿も下痢をしていてA店から,「下痢をしたら飲ませるように」と教えられた薬を与えていたこと,老婆は老衰していて軟便を時々もらしていたこと,などがわかった.
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