調査報告
宮城県における風疹合併症
角田 行
1
,
石田 名香雄
2
1仙台市衛生試験所
2東北大学(医)細菌学教室
pp.523-526
発行日 1978年8月15日
Published Date 1978/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205662
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はじめに
1975年春から関東以北の各地で7〜8年ぶりに風疹の流行がみられ,その後,1976年から1977年にかけて全国的規模で未曽有の大流行となった,東北地方では1975年春,秋田県や宮城県の白石市等で小流行があり,夏から秋にかけては一時下火になったが,同年10月下旬から仙台市内でも流行が始まり,1976年2〜3月をピークに宮城県下で大流行をきたした.宮城県下の患者数は,山本1)によれば,小・中学生だけでも10万人を越すといわれている.
風疹は従来から"3日ハシカ"といわれ,妊婦対策のみが叫ばれ,小児のウイルス感染症としてはむしろ軽症に属するものとして軽視されてきた.ところが,今回の大流行時には脳炎,脳症,紫斑病といった重症合併症が全国で少なからずみられ,今後の風疹対策に修正を求めざるを得なくなった2).
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