日本列島
沖繩県における風疹
伊波 茂雄
pp.247
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205163
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本県では昭和41年に把握された患者だけでも3,000名を越える風疹の大流行があり,340名前後の先天奇形が出生した.先天異常には心臓奇形,難聴,白内障等がみられ,教育上も大きな問題となっている.最近全国的に風疹が流行しているため,特に妊娠可能な女性は不安がっており,何らかの対処策を講ずる必要がある.県では3月5日に保健所長会議を開催し,①現在,県公害・衛生研究所で実施している妊婦の風疹抗体測定を各保健所でも行う,②保健婦等を通じて妊婦の衛生教育を強力に進めるなど,予防面に力を入れ,妊婦への感染を防ぐための態勢をかためることを決めた.
昭和41年の大流行以来さしたる流行もなく,風疹抗体保有状況を調査したところ,小学校3年生以下は抗体保有がゼロ,小学4年から6年生が40〜80%,中・高校生が70〜80%,妊婦が中部の沖繩市で66.9%,宮古で90.3%の保有状況であった.
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