資料
公衆衛生指標としての過剰死亡数—北海道の例から
三宅 浩次
1
,
福田 勝洋
1
,
加須屋 実
1
1札幌医科大学・公衆衛生学教室
pp.723-728
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205496
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
公衆衛生指標には多数のものがあるが,通常その中には含まれていないと思われるものに,過剰死亡数(excess death)がある.これは,一定期間の一定地域の人口集団の死亡現象について,何らかの根拠によって予測される推測死亡数が,実際に観察された観測死亡数よりも小さい場合に,観測死亡数から推測死亡数(統計的には期待値に相当)を差し引いた数をいう.過剰死亡数は,ひとまとまりとみなした集団の大きさ,推測死亡数の算出に用いた根拠などによって値が変わるので,その比較には注意が必要であるが,公衆衛生上の問題発掘のためには,通常の死亡率よりもすぐれた面があると思われる.ここでは北海道での例を通して検討したが,その結果,北海道の公衆衛生の特徴の一端が明らかになった.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.