今月の本
厚生省医務局 編『医制百年史』—1世紀にわたる社会の激動下における衛生法制史
橋本 正己
1
1国立公衆衛生院
pp.664
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205470
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日本の近代的な衛生行政,医学教育,医療の諸制度の出発点となった医制76条が公布されて,昭和49(1974)年は満100年に当たる.医制はこれらの諸制度を対象とした包括的な法典であり,明治7(1874)年8月18日にまず東京府,ついで翌9月に京都府,大阪府に公布され,その後比較的短期間に全国に拡げられた.明治初頭の激動期に,学制(明治5年)と前後して公布された医制は,当時の西欧諸国の医事法規を参考としたものであるが,その構想は雄大,志向は適確で,その後の日本の医育,医療,衛生行政の基本的な路線を明らかにしたものとして,まさに画期的であったというべきである.
本書は,医制公布100年を機会に刊行された,厚生省医務局の編集に成る大著である.この100年は,世界の歴史にとってまさに波乱万丈であったが,特に日本としては激動に次ぐ激動の時代であり,それらが医療,公衆衛生の諸制度と諸活動の推移に,鋭く反映していることはいうまでもない.
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