特集 公衆衛生戦後30年
戦後30年における食生活の変遷
桑原 丙午生
1,2
1(前)東京家政学院大学
2(現)武蔵野栄養専門学校
pp.490-496
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205415
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はじめに
わが国民の食生活は,周知の如く,戦後から今日まで幾多の混乱を経て,しだいに食糧事情の好転と所得水準の向上により,著しい変化をとげてきた.米飯を中心とし,魚介類,野菜類,いも類を副食とした時代を経て,畜産物,果物類が加わり,ついでぱん類,加工食品類,インスタント食品が普及し,多様化し,栄養内容も充実してきたのである.
このような食生活の変化は,国民体位の向上や平均寿命の伸長など,国民健康の保持増進に大きく寄与したことは事実であるが,反面においては,国民の一部に食事内容の不均衡もみられ,肥満,貧血,動脈硬化,高血圧,糖尿病等の増加をもたらしたことも事実である.
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