特集 保健医療計画と情報システム
横浜市西区における医療情報システムの現状と課題
鈴木 潔
1
,
野山 修
2
1横浜市西区医療センター
2東京大学保健学・疫学
pp.163-170
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205345
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はじめに
ある地域内に居住する住民の健康管理を意図した試みは,すでに全国的に数多くの実績をもっている.しかし,この種の試みの最近の特色は,それが地方自治体のデータ・バンクや病院などによるものではなく,公私を問わない,どちらかというと医師会中心のものであることにある.このような動きの動機として,疾病構造の変化,つまり慢性疾患成人病の増加に対処する適切な治療上の必要性を挙げることができるが,同時に,医療が病院・診療所内だけの治療に限定するのでなく,ひろく社会の中まで手を広げることに対するニードが,医療の供給と需要の両側から生じてきていることもあろう.この新しい動向を要約すると,保健ならびに医療に対する地域医療の理念が確立し,かつ成熟してきたことである.
しかし,こうした地域医療情報システムは未だ完成したものではなく,そこへ到達するプロセスについても既成の事例はない.
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