調査報告
沖縄の1農村における60歳以上年齢者の血圧について
一ノ瀬 尚道
1
,
阿部 丈子
1
,
玉城 登志
1
,
真喜屋 浩
2
,
金良 明子
3
1琉球大学保健学部精神衛生学教室
2県立精和病院
3那覇保健所
pp.571-576
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205253
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はじめに
日本人の死亡順位は,40〜50歳代における悪性新生物に代わり,65歳からは脳血管疾患が第1位となる.しかも,加齢に従い,しだいに他の疾患を引き離しており1),老年における高血圧の管理は極めて重要である.従来,高血圧に関する調査・研究はわが国においても数多く,全国各地で行われている.しかし,高血圧に伴う脳血管疾患が著明に増加してくる老年者を対象とした調査は少ない.
沖縄県は,わが国においては唯一の亜熱帯に属する県であると同時に,最長寿県でもある.今回われわれは,沖縄県本島南部に位置する佐敷村における60歳以上年齢者の血圧の準悉皆調査を行ったので,ここでその結果を報告するとともに,わが国の亜熱帯地域に住む老人の血圧が,他気候地域に住む老人の血圧に比し,どのような傾向をもつかを検討した.
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