日本列島
こたま貝による食中毒多発の年—宮城県
土屋 真
pp.630
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205078
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近県の食中毒の発生は今年は今のところ少ないようですが,宮城県内は例年にない食中毒多発の状態にあり,県も保健所も食品業界も衛生教育や指導監視(業界の自主的指導パトロールを含めて)などの対策に懸命に努力しております.
昭和50年7月31日現在,医師より届出られた発生件数は107件,発病者数は844名で,昨年同期の9件217名に比し著しい差があります.原因施設別では家庭が64件208名で最多で,次が旅館15件217名,飲食店8件78名,事業場5件,集団給食施設1件,その他5件などの割合でした.また原因物質別では腸炎ビブリオが40件259名で第1位,ブドウ球菌が2件15名,ウエルシ菌1件1名,サルモネラ菌1件1名です.ことに木県で初めてのエルシニア菌による食中毒が1件あり,166名が罹患いたしました.不明は10件で他は調査中であります.
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