論説
先天股脱集団検診の基本問題—とくにX線のリスクとメリットの問題を含む
今田 拓
1
Hiraku Imada
1
1宮城県拓杏園
1Miyagi Prefectural Takkyo-en
pp.300-306
発行日 1974年5月15日
Published Date 1974/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204848
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Ⅰ.先天性股脱が検診と結びつく要素
乳児先天股脱は,他の先天性疾患とくらべて,いくつかの異なった特徴をあげることができる.その主なものをひろうと,第1に多発性,第2に初期症状の潜在化,第3に治りやすいといったことになろう.
第1の多発性であるが,これは民族的差異地域的差異,それに診断者の差異によって,かなり違った報告がなされているが,おおよその見当では1,000人に対し5人程度で,これは1970年のわが国の結核リ患率17)の約3倍にあたる.
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