研究
蛍光染料の皮膚に対する影響について(第2報)
宮治 誠
1
,
西村 和子
2
,
藤原 喜久夫
1
,
黒田 文子
1
1千葉大学生物活性研究所
2国立習志野病院皮膚科
pp.241-244
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204831
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蛍光染料(蛍光増白剤,蛍光漂白剤または蛍光白色染料とも呼称されているが本論文中では蛍光染料の名称を用いる)は衣類および紙類等の増白剤として着実に需要を増し,また洗濯物の増白効果を狙ってほとんどの粉末洗剤にも混用されている.この様にその使用量および使用範囲が増大しているのにもかかわらず直接人体に対する影響についての検討には余り報告されていない.過去ヨーロッパにおいて洗剤中に混用されていたピラゾリン系蛍光染料によって皮膚炎が起こったという報告1)2)およびマウスの皮下に長期にわたって一部の特異な化学構造を持った蛍光染料を注射し,同時にごく短波長の紫外線を照射すると皮膚癌が発症したとの報告3)も現われてきた.前報4)でわれわれはジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体である3種類の蛍光染料の皮膚に対する影響をモルモットおよび人間の皮膚をもちいて実験し,モルモットには異常を認めなかったが人の場合0.1〜5.2%の割に貼布試験で陽性者を認めたことを報告した.今回は前の3種類に新たに同系統の5種類を加え,計8種類の蛍光染料を用いこれ等の皮膚に対する影響を紫外線の影響をも含めて検討した.
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