報告
皮膚壓追の筋緊張に及ぼす影響—第一報 人の上肢筋に及ぼす影響
高木 健太郞
1
,
長谷川 渙
1
,
倉島 昭示
1
1新潟大學醫學部生理學教室
pp.169-171
発行日 1952年2月15日
Published Date 1952/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905636
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前おき
手術的に大腦を取り去つた所謂視床體猿は歩行することができない。かかる猿を床の上に横に寢かせると,上側になつた上下肢は屈曲され,下側になつた上下肢は強く伸展して強直状態になる(1.2.3)。Magnusはかかる現象は横位に寢たため皮膚から受ける刺激,恐らくは壓刺激が體の左右の面に非對稱となるためであるといつている。事實このような状態に於て上側になつた體側面に板を押しあててやれば,體の兩側面から受ける壓迫が對稱性となるために,上下肢の伸展,屈曲の度合が左右とも等しくなるといつている(Board Test)。
Bieber, Fulton3)は運動領及び前運動領を取り去つただけの猿でも上と同樣なこともみとめ,更にFulton, Dow4)は雨側迷路のみを破壞した猿で同樣なことをみている。
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