研究
北九州市における喘息を中心とした気道性疾患の大気汚染との関係について
中川 俊二
1
,
吾郷 晋浩
1
,
中川 武正
2
,
石崎 達
3
,
石松 保生
4
1九州大学医学部心療内科
2東京大学医学部物療内科
3国立予防衛生研究所
4西日本産業衛生会
pp.182-195
発行日 1974年3月15日
Published Date 1974/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204821
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1901年に八幡製鉄所(今日の新日鉄)が発足し,以後北九州市は鉄の都,日本の代表的重化学工業都市として発展してきた(第2次産業による法人会社は大小併せて1,466社).1960年を契機として燃料が石炭から石油に変わるとともに,汚染物質が無数に現われ,本格的な大気汚染の状態を現出した,これが10数年につづいて,人体に対する影響が大きくクローズアップされてきたことは事実である.北九州市の大気汚染に対する対策として,公害防止例の制定,さらには被害者救済地域の指定も確立され,医学的にも本格的な調査が進められるようになった.
われわれは昭和46年から48年の3カ年にわたって,「北九州市の大気汚染の影響の実態」を調査し,とくに汚染地区における工場勤務者の健康状態の疫学的調査(すなわち喘息を中心とした気道性疾患の大気汚染との関係)を行なったので,これについて報告する.
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