特集 高知県の公衆衛生活動
衛生行政の問題点
関戸 茂樹
1
1高知県厚生労働部
pp.684-686
発行日 1972年11月15日
Published Date 1972/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204571
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
静かに目を閉じて,戦後の昭和20年代を回顧できる国民の数は,年とともに少なくなっているが,等しく無量め感を呼びおこすことは,当時,精神的,肉体的に消耗その極に達した国民が,よくも短年月に健康を回復し,驚異的ともいえる今日の繁栄を見たことである.戦前人生わずか50年といわれた国民の平均寿命も,現在では始めて70歳を越え,男70・17歳,女75・58歳となり,世界の長寿国に仲間入りすることができたのである.
このことは,医学の進歩によることはもちろんであるが,正に公衆衛生の勝利であり,公衆衛生に挺身したすべての人,公衆衛生行政の最先端にあった,地域住民とともに,健康を阻外するあらゆる因子と戦い続けてきた保健所職員の努力の結果によるものである.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.