特別寄稿
行政の立場からみた母性衛生の問題点
中沢 幸一
1,2
1前:愛媛県保健部
2現:栃木県衛生環境部
pp.711-719
発行日 1976年12月25日
Published Date 1976/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205138
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1.はじめに
現在行なわれている母子保健法は,昭和40年8月に制定され,翌41年1月から施行されたのであるが,それ以前は昭和22年制定の児童福祉法の中で母子衛生事業がとりあつかわれていたところである。
保健衛生の事業は,急性伝染病の対策から始まり,次いで母子衛生,結核対策が大きな柱となり,さらに生活環境へと推進されてきた。また現在では成人病対策を始め公害までを含めた広い分野を対象として多種多様化を示している。しかしながら,今でも西欧諸国では母子衛生を中心としたヘルスセンターがあったり,母子衛生を主体とした登録管理事業が行なわれたりしていて,母子衛生対策というのは,各国共通の,また常に新しい問題として考えねばならないものといえよう。
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