特集 改正介護保険と訪問看護事業
介護予防行政の問題点
岡本 祐三
1
1岡本クリニック
pp.30-35
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100006
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今回の介護保険「見直し」については疑問がありすぎるうえ,実態的な裏付けがないままに,非現実的なスローガンばかりが目立つ。その典型が「介護予防」と「包括支援センター」である。4月施行まで3か月となったが,未だに市町村の現場はそのイメージすら持てないで困惑している。そのうえ最終的な実効性は現場と地方自治体の努力に押しつけられる構造が見え見えだ。
紙数の関係で本稿では,家事援助サービス(いつのまにか「家事代行」という用語にすり変わってしまった)が,障害のある高齢者を怠け者にしてしまい「廃用症候群」に陥いらせる,だから「筋トレ」などの「新・予防給付」を受けさせて,要介護度の悪化を防ぐのだという,要介護度悪化の「自己責任論」の誤りについて詳述し,ケアマネジメントの方向付けを誤らないように示唆したい。
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