特集 高知県の公衆衛生活動
風土と県民性—温暖な気候と独自の文化
安部 幸夫
1
1高知県医務課
pp.681-683
発行日 1972年11月15日
Published Date 1972/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204570
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汽車で高知へ
国鉄土讃本線が,トンネルをくぐり,鉄橋を渡って,徳島との県境を越え土佐路に入ると,両側の山並みが次第に狭まり,吉野川はいよいよ,その渓谷美を増してくる.これが大歩危(おおぼけ),小歩危(こぼけ)の奇勝である.両岸に聳え立つ山肌には,遙か頂の方まで人家が点在し,夜間,車窓から望見した旅人が,電灯の光を星と間違えたという話のあるほど,この溪谷は深い.
かつては,崩災事故のため,40数日も不通となり,折り悪しく台風の影響もあって,空海路共に交通が遮断されたので,「陸の孤島高知県」と大いにマスコミに騒がれたこともあった.
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