講座
放射能と放射線(2)―放射線によるriskの正しい認識と防護への道程
山県 登
1
Noboru YAMAGATA
1
1国立公衆衛生院放射線衛生学部
pp.125-128
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204429
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
被ばくの現状
わが国における放射線被ばくの現状をみるについては,もちろん個人々々ではなく,また放射線作業従事者とか患者という個々の集団でもなく,国民全体に対する危険度がどのような放射線源からどのくらい見込まれるかという見地をとる.そして,国民全体に対する危険度をはかるには,積算値ではなく平均値すなわち国民線量を評価の基準にする.
個人々々の被ばくを合計したうえで,全国民にならしたものを国民線量(population dose)という.これはさらに,遺伝および身体的効果に分け,前者については生殖腺の,後者については造血を行なっている赤色骨髄の被ばく線量が算出の根拠になるが,それぞれ国民(有意)遺伝線量および国民(有意)身体線量という.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.