特集 保健所改革のポイント
保健所問題の焦点
ポイント14 保健所医師—公衆衛生医師の専門的育成を
安西 定
1
,
西 三郎
2
1宮崎県衛生部
2国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.557-560
発行日 1971年9月15日
Published Date 1971/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204339
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本誌4月号で「保健所再検討」と題しこれまでの保健所の歴史と反省に立って保健所はなぜ,時代と住民の要望に応じられなくなってきたかを考えその改革を要する諸問題を整理した.次に,しからば今後どのように具体的にそれらの問題を解決し真に住民の要望に応じられる保健所にするのかその構想なり意見をまとめたいので,このなかで保健所医師の問題についてどう考えているのか,また,どういう将来構想をもっているのか遠慮のない意見を提示されたい旨の申し入れが本誌編集室からございました.しかし,この問題は複雑な内容と歴史をもったものであり,きわめて難しい問題であるのでかなりためらったのでありますが勇気を出して,この機会に平素考えていることを卒直に述べてみなさんのご批判をいただくことは長らく公衆衛生を専攻しこの問題についていろいろと悩んできた私にとっては有難いことであると考えてお引受けした次第です.
保健所医師が現在著しく不足している背景としては医師の絶体数の不足と医師一般ならびに国民の公衆衛生に対する理解と関心が低いことがあげられており,これはわが国の医育制度,医療制度,社会保険制度,公衆衛生の歴史の浅さなどと深い関係があると考えられている.
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