特集 保健所改革のポイント
保健所問題の焦点
ポイント13 教育保健所—教育保健所の必要性について
西川 滇八
1
,
諸岡 妙子
2
1日本大学公衆衛生学
2東京女子医大衛生学
pp.552-557
発行日 1971年9月15日
Published Date 1971/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204338
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医学教育における公衆衛生学教育の位置づけ
数年来発生した大学紛争が硬直化した医学教育に端を発したことは今さら申すまでもない.一応大学紛争はおさまったごとくにみえるが医学教育の改革は必ずしも進行しているとはいえない.表面化していないけれども医学教育の改革はあらゆる方面で真剣に検討されている.日本医師会においても医学教育制度の改革案をつくり,6年間のCore Systemによる教育を推奨している.それによれば現行の進学課程2年,専門課程4年の教育を6年間のCore Systemとし,最初の4年間で一般の講義と実習をおわり,資格試験を行なって,合格者に最終の臨床修練コースを受けさせるのがよい.このコースにはコミュニティーサイズティーチングを通じて,経済学的社会医学的問題を討議させたり,環境科学の導入による新しい単独またはコア課目を追加することも考えられるという13).この点は学術会議の大学問題特別委の調査結果と軌を一つにしている3)."医学のあゆみ"編集部が実施した医学教育キャンペーンによると,医学部における教育担当者たちは抜本的改革の必要性を認めているものが295名中58.3%もおり,現行制度のままでよいとするものは,わずかに1.4%に過ぎなかった.
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