シンガポール便り・3
社会医学・公衆衛生教育
橋本 正己
1
1国立公衆衛生院
pp.296-297
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204261
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シンガポールにおける医学教育は1905年にはじまる長い歴史をもち,1962年以来シンガポール大学医学部となり,高い水準の教育が行なわれているが,その特色のひとつは社会医学・公衆衛生教育に伝統的に異色のある努力がみられることである.この医科大学にはじめて独立の社会医学・公衆衛生学講座(Dept. of Social Medicine & Public Health)が設けられ,専任の教授が任命されたのは1948年であるが,1953年には東南アジア最初の1学年のpost-graduateの公衆衛生教育としてDPHコースが発足し,1958年には大学の社会医学・公衆衛生学部と保健省および市保健局の保健サービス部門とをひとつの近代建築の屋根のもとに収めた衛生院(Institute of Health)が設立され,さらに1968年には医学部にSchool of Post-graduate Medical Studies(前記DPHはこの一環)が発足して今日に至っている.
筆者は主としてDPHコースの教育に携っているが,このコースは当初よりイギリスのGeneral Medical Council認定にもとづくもので,1学年(9か月)のカリキユラムは約900時間を含み3学期制をとっている.
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