研究所総点検・2
国立予防衛生研究所—完全なワクチンの開発,ビールス性疾患・がんの治療に全力
北岡 正見
pp.184
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204232
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沿革と組織
終戦当時のわが国は,物資,食料は欠乏し,国民生活の窮迫,衛生状態の極度の悪化は結核,性病,寄生虫病の高度侵淫,さらにまた外来伝染病の痘そう,発疹チフスの流行をもたらした.その科学的厚生行政に対する基礎的ならびに応用的総合研究所を創設すべく,当時の占領軍最高指令部のサムス大佐と厚生省の浜野公衆衛生局長との話し合いで,当時の東大付属の伝染病研究所をそのままそれに当てようとしたが,南原東大総長,サムス大佐会談で伝研の人と物の半分が厚生省に移管され,場所も半分を借り,昭和22年5月21日,小林六造所長,小島三郎副所長の下に国立予防衛生研究所が発足した.
現在柳沢謙所長の下に17部(細菌第一部・福見部長,細菌第二部・村田部長,ウィルス・リケッチア部・大谷部長,腸内ウィルス部・多ケ谷部長,麻疹ウィルス部・宍戸部長,ウィルス中央検査部・甲野部長,結核部・室橋部長,一般検定部・黒川部長,抗生物質部・梅沢部長,寄生虫部・石崎部長,衛生昆虫部・朝比奈部長,獣疫部・今泉部長,食品衛生部・宮木部長,病理部・江頭部長,化学部・野島部長,歯科衛生部・北岡事務取扱総務部・横山部長),放射能管理室,図書館,広島・長崎両原子爆弾影響研究所支所からなり,職員定数は560名である.なお本所の特色としてWHO,その他,広く国際協力の業務に関与していることである.
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