特集 60年代から70年代へ
70年代の公衆衛生学に要請されるもの
東田 敏夫
1
1関西医大・公衆衛生学
pp.430-439
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204108
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公衆衛生学が当面するもの
70年代の公衆衛生の領域における研究活動に期待されるものは,いうまでもなく,60年代よりひきつがれている課題と,70年代に生起するであろう課題にこたえることであるが,ここでいう「公衆衛生領域における研究活動」は,その広汎な領域のなかから,主題にかかげられた「60年代から70年代へ」という歴史的現実をふまえるとき,憲法が規定する国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障すべき政府および地方自治体が,「社会保障,社会福祉」とともにおこなうべき「公衆衛生の向上および増進」にかかわるものに限定したい.
国民の生活と健康をまもるべき事業の具体的実施は,法によって,一応はnational minimumな行政需要を,都道府県・市町村に「委任」し,それに必要な経費は「地方税」「地方交付税」「国庫支出金」制度によってまかなわれることになっている.
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