研究
月経に関する研究(第5報)—自己の月経周期認知と心理的側面との関係
杉浦 静子
1
,
松井 清夫
2
,
坂本 弘
2
1三重県立高等看護学院保健助産学科
2三重大衛生学教室
pp.472-474
発行日 1969年8月15日
Published Date 1969/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203932
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月経にまつわる諸現象を生産年齢層女子の健康指標の1つとしてとらえ,身体的・心理的・社会的側面から検討を加えてきた.すなわち,中学卒者に比し高校卒者は初潮時の印象が否定的なものが多く,月経障害も多い.また,障害の種類はその個人の精神生活史と関連のあることを明らかにし,第1報で報告した1).また第2報では,企業における生理休暇の利用率は,月経障害の頻度や程度によって影響されるよりも,職場の雇用条件や,労働組合の生理休暇に対する活動などのような社会経済的要因との関係が大きいことを述べた2).第3報では3),月経の持続期間と周期の信頼性を検討し,持続期間より周期に変動が大きく,信頼性がうすいことを明らかにした。
さらに,第4報では4),周期安定性および月経障害の移動性と心理的側面との関連について検討を加え,月経周期不安定者は多訴傾向をもち,内省傾向うすく,非活動的で,社会的内向傾向をもち,愛想はよいが支配性が強い傾向がみられた.また障害移動性と周期安定性とは関連がみられず,それぞれ異なった心理的因子により影響されていることについて述べた.
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