ニュースの焦点
交通安全対策の今日的課題
田中 恒男
1
1東大医学部保健学科
pp.736
発行日 1967年12月15日
Published Date 1967/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203599
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交通ラッシュにともなう事故災害の多発は,衆議院に特別委員会を設立させ,行政的な段階でも論議される事態となった。もちろんそれ以前から交通災害に対する疫学的アプローチや心理学的な検討が加えられてきたが,この数年来その傾向に拍車がかけられているようである。いっぽう総理府は,昨41年12月「陸上における交通事故――その現状と対策」と題して,施策の方針を明確にした。しかし,それにもかかわらず,昭和42年も交通災害は防止効果を示すにいたらず,主要死因としての不慮の事故死の増加原因となるいっぽうである。
交通災害に対する施策として本年度開始された事故のうちおもなものは,
1.免許の申請および更新に際して,精神病者でない旨の医師の診断を必要とするよう改正されたこと。
2.道路交通法の改正にともなう交通安全への第一歩が開かれたこと。
3.交通事故の被害者のための交通相談所が各都道府県ごとに設置されたこと。
4.脳・神経外科を中心とした救急医療センターが,全国で逐次開設されてきたこと(全国を7ブロックとし各ブロック1施設の予定ですでに横浜はじめ5カ所に,本年7月1日から開設されている)。
などであろう。
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