講座 情報科学とその応用・6
公衆衛生における情報の収集とその活用
杉山 博
1
1阪大工学部
pp.728-733
発行日 1967年12月15日
Published Date 1967/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203596
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はじめに
近年,電子計算機の著しい進歩発達とその応用としてのいわゆる情報処理のめざましい発展と,さらにそれをとりまく情報科学の広くかつ深い進歩発達によりおよそこの波の影響を受けない領域はないといっても過言でない状況である。医学領域についても広くかつ急速にその影響を受けつつあるが,さて公衆衛生の領域についてはどうであろうか。公衆衛生といってもその領域はまことに広大である。関連する基礎学の範囲はきわめて広く,その活動分野はまたまことに広範である。この"公衆衛生"のいかなる場面にいかなる理念で情報科学と情報処理を折りこんでいくべきであるか。実に問題は前向きに考えた"公衆衛生"の歩むべき方向であり,また情報科学および情報処理の進歩発展の場でもあるであろう。
このような巨大な問題に対して,いかに展望すべきか。浅学非才の著者がとうてい論を尽すことは不可能である。といっても本稿をひきうけてしまったからには一応の展望を試みなければならないので,以下に公衆衛生の領域をつぎの各分野にしぼって考察してみたい。
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