特集 保健所活動30年記念特集
これからの保健所
研究報告1
北海道へき地の保健計画と保健所の機能
杉田 泰宏
1
1北海道渡島保健所
pp.586-592
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203548
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はじめに
北海道の農漁村は,地理的条件から交通事情も悪く,そのうえ積雪寒冷地帯であるため,市とその周辺の町村を除けばほとんどへき地農漁村といえよう。実際,北海道の人口密度は65.9人km2で,全国265km2と比較にならない人口稀薄な開発の遅れた地方である。しかし「へき地」をいかに規定するかによってその内容はいろいろに変わるものと思われる。そこで,一応人口密度により町村を区分し,人口密度20.0以下の町村を45道立保健所のうち18保健所の管轄の89の町村のうち14町村を選出し,標本町村として実態把握を試みた。それらの標本町村の保健水準がはたして包括的にどうかを判定するため,三木,岡田などが行なった「保健水準の順位づけ(成分分析法を用いて総合得点算出)」を利用したところ,Z-scoreは-1.397となり,最下位グループに属し,一応包括的には保健水準の低い地方であることがわかった。
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