研究
中小企業労働者の自主的健康管理活動—第1報
宮入 昭午
1
,
川合 一良
1
,
武田 恭子
1
,
玉川 雄司
1
,
奈倉 道隆
2
1京都南病院
2京都大学医学部公衆衛生学教室
pp.94-99
発行日 1966年2月15日
Published Date 1966/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203197
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はじめに
近年わが国の大企業においては,労働力の不足と相呼応して,いわゆる"社内福祉"および"労働者の健康管理"などの活動が活発化している。このことは一面において戦前の暗い労働者の生活を改善し,働く者の権利を拡大したということを意味しており,他面,産業の近代化,生産力の発展などに伴う必然の帰趨ともいえるし,労働力不足のおりから,労務管理の一端として要請されているともいえよう。しかしながら,中小企業においては事態は必ずしもそのように発展してはいない。
大企業と中小企業との賃金格差が縮小するに伴い(昭和36年度労働白書30頁〜31頁参照)中小企業においては賃金以外の面,とくに労働者福祉や,健康管理の面において,とり残されていく傾向が強い(第1表)。
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