研究
都市の地域社会における結核蔓延の疫学的研究
小林 治一郎
1
,
吉田 三郎
1
,
藤田 寛子
1
,
高田 とし子
1
,
竹内 享斉
1
1神戸市長田保健所
pp.699-705
発行日 1965年12月15日
Published Date 1965/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203163
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結核蔓延の地域格差の状況をあらわすために,結核死亡率の格差指数と期間格差指数という指数的表現を工夫した。それを用いて,
1.昭和34年〜38年の全国の都道府県,指定都市について期間格差指数を算出した。
2.その高位(結核死亡率が高い)の15府県市を選ぶと,すべて西日本に所在し,神戸市が最も高く(155.7),長崎(143.0),大分(140.8),鹿児島(137.7)がこれにつぐ。
3.その低位(結核死亡率が低い)の15県市を選ぶと,すべて東日本に属し,長野が最も低く(55.5),山梨(65.2),福島(67.7)がこれについでいる。
4.神戸市の8区について期間格差指数(昭和29〜38年)をみると,長田区が最も高く(191.1),葺合区(180.2),生田区(176.9)がこ加につぎ,東灘区,垂水区はいちじるしく低く,全国平均に近い。
5.長田区の11地区についての期間格差指数では,長田地区(256.8),御蔵地区(244.3),西代地区(223.6)真陽地区(217.2),駒林地区(201.0)などがきわめて高い。
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