特別レポート
いま,なぜ,沢内村なのか
日野 秀逸
1
1国立公衆衛生院
pp.662-673
発行日 1986年8月10日
Published Date 1986/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207193
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この特別レポートは,1986年2月1日午後,豪雪の沢内村で,東京を主体とする宮城,群馬等々の保健婦30余名の学習会における講演をもとに,加筆訂正して頂いたものである。国民の健康に対して,国はいよいよ責任逃れの方向を強め,医療費の増嵩を国民1人1人の負担に肩代わりさせる一方,憲法に明記されている「公衆衛生」をないがしろにするという暴挙を行おうとしている。まさに我国の現在の姿は,亡国に向けて突進している「弾丸列車」の趣がある。孤軍奮闘している沢内村でも,他の多くの市町村自治体にかけられている老健法がらみの国→県→ルートによる圧力はいや増し,歴史的な10割給付は風前の灯だという。だからこそ,「なぜ,いま,沢内村なのか」を問う時なのである。
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