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文献紹介
ロンドンにおける分裂病退院患者121名のその後の被雇用状況/自殺未遂者と精神外来患者との比較研究
Employment Experiences of 127 Discharged Schizo-phrenic Men in London/Comparative Study of Attempted Suicides and Psyc-hiatric out-patients
pp.49
発行日 1965年1月15日
Published Date 1965/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202980
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- Abstract 文献概要
これはロンドンの8精神病院に分裂病の診断で1ヵ月以上入院して退院した50才未満成年男子の中でロンドンに住所がある者について,退院後の被雇用状況を調査するため,退院後1年間の追求面接調査を行なった報告である。成績の要点は次のようである。
1)退院後1年以内はどの1ヵ月をとっても全例127名の約半数が常勤で雇用されている。2)全例の約1/4は1年の間にそれぞれの職に定着して満足すべき就労状態である。3)同じく約1/4は1年以内に再入院したが,雇用中に一応満足すべき状況であった。4)全例の約1/3は失業しその後の再就職は不可能であった。このうち多数の者は再入院した。5)残りの全例の約1/6は1年を通じて全く被雇用の経験をもたなかった。6)金例の約1/3は退院前に就労先がきまっていたが,その9割がもとの職に復した者である。その他病院のソーシャルワーカーの援助による者は5名,独力で広告をたよりに求職した者は25名,他は家族,知人紹介等のあっせんで求職した者である。就労状況はもっとも良好なのは復職者,ついて自ら求職した者,他の機関,家族などにたよって求職した者の順である。7)有配偶者と両親等と同居の独身者との間では前者の方がまさって就労状況はよい。8)退院時の一時的な臨床所見と就労状況とは関連がうすい。むしろ入院中の観察所見のような長期の所見との方が関連がつよい。
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