論叢 保健婦活動の前進のために
保健科学の発達に学び地域に沈潜する—保健所の保健婦から
手塚 ユキ
1
1伊勢崎保健所
pp.700
発行日 1964年12月15日
Published Date 1964/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202954
- 有料閲覧
- 文献概要
保健婦が「保健」に関する仕事,すなわち健康管理および家庭にある病人の療養上の指導をするということは昔も今も,ここ当分の将来も変らないことであろう。それならどうして常に「保建婦は何をすべきか」とか「保健婦の果す役割」とか,新しい保健婦像」ということが論じられるのであろうか。私はこの点を深く考えてみたいと思うのです。
保健婦活動をむだなく効果的に行うには,次の二点が大切であろうと思われます。その一点は地域社会をよく知るということです。地域社会を知るというと従来から盛んにいわれています地区調査とか地区診断を頭に思いうかべられる方が多かろうと思いますが,従来のように統計や文字に表わされるものだけでなく,その地域社会がどのような生産手段を用いて現在社会全体の中でどのような位置づけと役割をもち,さらに今後その地域社会はどのように発展変化して行くのだろうか,どのように発展変化してゆくことが社会全体の福祉に役立つのかということを知ることです。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.