論叢
保健婦よりみた精神障害者訪問活動への疑問
外口 玉子
1
1国立国府台病院
pp.445-446
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202863
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最近,精神障害者への訪問活動の必要性が叫ばれはじめたのを知った私は,まず「何の保障も裏づけもない素手の私たちに,何をどれだけ,期待しているのかしら」と疑問をもった。そんな私に,ある医師は一農村での精神病巡回診療にいっしょに参加した保健婦を引きあいに保健婦の前衛的役割を指摘する。意気に盗れ自信をもっていたと,讃美し同調する。このようにフロンティア精神にもえる保健婦の話は,都市保健所での行き詰りを体験した私を勇気づけはするが,すぐにまた前にもまして多くの疑問を感じさせる。
「20年以上たってもなお同じかたちで現場の保健婦の足と手が地域の健康管理体制の不備の穴埋めとして必要とされるのを喜こんでいて良いのだろうか」
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