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文献
精神分裂病の診断および入院時の症度診定の病院間ならびに病院内における変動
Interhospital and Intrahospital Variations in the Diagnosis and Severity of Schizophrenia
芦沢
pp.341
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202834
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1951年と1956年に分裂病と診断されてW,XおよびYの3精神病院に入院した患者記録の任意抽出標本についての病院間の診断の変動性を検討した。また別のZ精神病院の1956年の分裂病と診断された全患者記録について診断の病院内変動を検討した。以上の各症例について,C. Wardle(1960)の方法に準じて分裂病診断基準を定め,これに一致するかしないかを "Probable","Doubtful",および "Not Confirmed" の3段階に分類した。まずZ病院の記録について全く独立に2名の専門医によって評定した。入院時の症度の診定は発症時入院 "Crisis Admission" と非発症時入院 "Non-Crisis Admission" にわけて同様に2名の医師により独立に評定した。3段階の診断区分で2名の評定の一致率は68%(144/211),"Doubtful" と "Not Confirmed" を一緒にして2区分とすればその一致率は79%である。不一致の最も大なのは "Doubtful" の区分であった。入院時症度の一致率は79%である。一応この評定法の信頼性は満足できるものと考えられた。
診断3区分の一致度はW,XおよびYの3病院では "Probable" がそれぞれ69,73,72%でよく一致するに反し,Z病院のそれは47%と有意差を示した。
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