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文献
ニューヘブライズ群島の3地域住民の血圧,他
Blood pressures in three new hebrides communities
芦沢
pp.180
発行日 1964年4月15日
Published Date 1964/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202808
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本態性高血圧の罹患率と西欧文明との接触の程度との関係が類推されている。(Lovell, Maddocks and Rogerson, Aust. Ann. Med., 9, 4, 1960;Maddocks, Lancet, 2, 396, 1961)またWilsonはアッサム地方で茶裁培農夫の間で加年令と共に血圧上昇を認めたが(Brit. J. prev. Soc. Med., 12, 204, 1958),Lovellらはフィジー島およびギルバート諸島住民ではこの事実はなかったとしている。Barnesはパプア島の入院患者200例中最大血圧120をこえる者はなく,平均は92と報告している(Med. J. Aust, 2, 540, 1961)。
ニューヘブライズ島は南太平洋のソロモン群島とフィージー島の間にある山の多い諸島である。住民はメラネシヤ人であるが人類学的には互いに異なる多くの部族が住んでいる。全人口は約5万,海岸地帯に住んでいる層はキリスト教の教化をうけ,生活様式は比較的西欧化しており,若い者は賃労働に従事している。山地に住む者は原始的な衣食住の生活で,ほとんどマラリヤ,寄生虫に罹患しているとみてよく,栄養状態も劣悪である。
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