綜説
わが国の保健所活動
原島 進
1
1慶応義塾大学衛生学・公衆衛生学
pp.405-410
発行日 1963年8月15日
Published Date 1963/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202695
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1.保健所見学のあとの印象
昭和35年と36年の厚生科学研究補助金による班研究の一員として,東京附近の保健所を見学する機会にめぐまれたことがある。それまで,私は保健所事業の運営と直接にたずさわったことはなかった。それから今日までも,そうである。しかし,衛生学,公衆衛生学の教員の一人として,保健所には関心をもっていたし,また保健所のいろいろな部局に長年働いておられる人々に接する機会も多く,その時には,その事業について話をきかされることもすくなくはなかった。しかし,なんといっても,保健所のことについては素人である。この班に参加することについても,十分考えたのであるが,中心をなす人々から,素人の考えかたを知りたいから,ぜひとも加わってほしいという説得に負けてしまったのである。
このようないきさつで,昭和36年秋から37年のはじめにかけて,関東地方にある2つのUR型と1つのU型保健所を班の方々といっしょに訪ね,所長さんその他の方々の説明をきき,また,活動の現場をみせていただき,そのあとで,みんなで話合うことができた。すなわち,保健所事業の見学を行なうことができたのである。
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