原著
血圧計の目盛とその読みとりの検討
高橋 坦
1
1静岡県衛生部
pp.205-208
発行日 1963年4月15日
Published Date 1963/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202658
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I.緒言
従来の血圧計の目盛は2刻みであり,この細かい刻みの線を見やすくするために,10刻みごとに太く長い線(1位が0を示す線,0線と称する)を用い,この線にだけその値の数を記入してある。この0線は吾人の視覚に強く印象づけられる結果,元来は0線の上下の細い線の値として読みとるべき血圧値をこの0線の値として読みとることは,Master1),高橋2),秋山ら3)によって報告されている。
高橋は,常に業務として血圧測定を行なっている医師・保健婦・看護婦・助産婦40名に,従来の2刻み目盛の水銀血圧計を用いて血圧測定を行なわせ,8,063名の血圧値を集計した結果,0線の読みはすべて読み過ぎを示し(20.9〜161.0%,平均78.0%),1位が2を示す2線の読みは多く不足を示し(不足は-で示す,8.0〜-67.9%,平均-23.7%),1位が4を示す4線の読みはほとんど過・不足ないか不足を示し(6.0〜-33.9%,平均-17.0%),1位が6を示す6線の読みはすべて不足を示し(-7.9〜-63.4%,平均-38.1%),8を示す8線の読みはあるいは読み過ぎをあるいは不足を示した(33.2〜-33.3%平均1.7%)ことを報告している。
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