原著
集団検診用血圧計の目盛とその読み取りの検討
高橋 坦
1
1静岡県衛生部
pp.99-105
発行日 1961年2月15日
Published Date 1961/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202378
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1.緒言
聴診法による血圧測定に際して,血圧計の目盛をどの程度の細かさにすべきかという問題は,聴診法が吾人の視覚と聴覚に頼つてなされるという点に鑑み,自らその限界がある筈である。従来の血圧計においては多く2mmHg刻みであり,この細かい刻みの線を見易すくするために10mmHgあるいは20mmHg毎に長く太い線を用い,且,この線にのみ値の数を記入してある。従つて各目盛の線はすべて同一の感覚として吾人の視覚に訴えられず,10mmHgあるいは20mmHgの太い長い線がとくに強く印象づけられる。この点が集団検診における血圧測定に際しどのような影響をおよぼすかを検討し,従来の血圧計の目盛に代えて5mmHg刻みとし且目盛の線をすべて同じ太さと長さとし各線に同大の数値の記入をした構造の目盛を用いて測定し,両者を比較することによりむしろ後者が従来行われている前者に比べて種々の点ことに集計上勝ることを認めたので,以下に報告する。
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