原著
一林業村における林業作業による災害に関する調査研究
柳沢 文徳
1
,
両角 森雄
1
,
榊 詢
1
1東京医科歯科大学医学部農村厚生医学研究施設
pp.397-402
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202423
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緒言
林業作業に関する災害は,作業現場の立地条件が不良であり,そのような状況下で,取り扱いにくい木材の処理より,災害が発生すれば,傷病程度も強度であろうということが予測される関係上,重視しなければならぬ。しかし,資料の関係からそれらについて判明している点が極めて少ない。最近では妻鹿等1)が奈良県の国有林に従事する作業者の災害について詳細なる報告があるのみである。著者等も林業村における健康問題を解析すべく,埼玉県で有数な林業栽培地である入間郡名栗村を撰択して,各方面について検討を重ねてきたが,同村においての死亡死因の研究中,不慮の災害による死亡率が比較的高いことに気付いた。同村は林業従事者で占められているということから,林業災害を受けた者も多いと推定し,現居住者に対する過去の林業災害の実態について,昭和33年5月31日現在で調査し,その解析をした結果,二,三の成績が得られたので,ここに報告する。
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