特集 社会医学
公衆衛生監視員制度について
庄司 光
1
,
中山 信正
2
,
高木 昌彦
3
1京都大学
2大阪市衛生局
3大阪大学
pp.627-630
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202340
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本年,厚生省に公衆衛生教育制度調査委員が設置された。これは公衆衛生活動の第一線の担当職員の量と質が確保されていない点を考慮し,公衆衛生行政に従事する各種職員の教育訓練,身分,資格,処遇等の諸問題を調査,審議しようとするためである。情勢の変化に伴つて行政制度の改革を行うことは望ましいが,この改革が円滑に遂行されるためには,客観的条件の分析とともに,公衆衛生従事者の主体的条件を十分に考慮してゆく必要があろう。換言すれば下から盛上る力によつて民主的な方法で問題の解決を図る必要がある。英国においては,このことが十分に行われて居り,例えば1951年に保健大臣によつて任命された「Sanitary inspectorsの業務の性質,その補充,訓練,資格等についての現状調査のための委員」には第一線担当のChief Sanitary Inspectorが参加し,活動して居る1)。ここでは近畿地区の環境,食品衛生監視員自身が過去において教育訓練,身分,資格,処遇の問題にどのように取り組んで来たかをその自主的な運動の実践を通じてみたい。
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