論述
公衆衞生監視員の記
玉城 仁
1
1日立保健所
pp.30-34
発行日 1947年6月25日
Published Date 1947/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200146
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敗戰後道義心の極度の敗退にともなひ相互の信頼感が薄くなつてゐる今口,殊に食品營業者が往々その害毒を世に擴げ,少からず人命を失はしめてゐることは誠に歎かはしい限りである。日本で初めて設けられた公衆衞生監視員が,東京では食品衞生に重點をおいたことはもつともなことである。
私は満洲引揚者として失業状態にあつた時代東京の公衆衞生監視員に採用されで2ヶ月を経た。施設の完壁よりもむしろ食品營業者の道義心の昂揚も指摘しつゝおこなつた監視業務を通じて得た經驗が,將來この種業務の参考になれば幸である。
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