綜説
船舶飲用水の汚染に関する検討
近藤 黎子
1,2
,
柳沢 文徳
2
1和洋女子大学微生物学教室
2東京医科歯科大学医学部柳沢研究室
pp.547-554
発行日 1960年10月15日
Published Date 1960/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202323
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I.緒言
飲用水に関する衛生細菌学的な研究のうち,その地域社会における実態の調査成績は,極めて多い。しかし船舶の飲用水は如何なる理由であるか分らぬが,この方面の細菌学的,化学的にみた実情を検討した成績は,ほとんどみあたらぬ状況で,僅かに東京検疫所の佐藤氏等1)の研究成績があるのみである。
著者等は全日本海員組合が厚生問題として,船舶の飲用水の衛生問題に強い関心を持ち,衛生学的な見地より,その実情,あるいは改善の対策をおし進めるに際し,協力をして現在に至つているが,ここに,それらの調査研究した成績を総括的に報告する次第である。当然衛生学上問題にならなくてはならぬ点が多かつただけに,本研究によつて,この方面の関心が高まり,船舶飲用水の清浄化運動のもとになれば幸と考える次第である。
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