特集 病院の汚染防止
水汚染の管理
芦山 辰朗
1
1広島大学附属病院・手術部
pp.365-369
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206525
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カドミウムや有機,無機の水銀など重金属による慢性中毒が大きな社会問題になりはじめた頃,病院ではそれまで常用されていた水銀製剤,とくに消毒薬としての昇汞が問題になった.昇汞,塩化第2水銀は洗面器1杯で約3gの無機水銀を含んでいるから毎日その何10倍かの量を連日廃棄していたことになるからである.さっそく水銀製剤の消毒薬は用いられなくなったが,このように日常きわめて安易に在来の方法を踏襲していることが必ずしも安全確実でないことが理解される.
病院は医療法上,清潔を保持し,保安上の安全を義務づけられているが,かなり概念的で最近の「建築基準法」や「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」等ほど実際的,具体的でない面が多い.水汚染の管理についても,「水道法」,「下水道法」,「水質汚濁防止法」等があって必要な最低の基準は明示されているが,具体的実際的な対策を確立し実現することはなかなか困難である.
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