「医学生に対する衛生学公衆衛生学の教育」についてのアンケート
三浦教授の「環境衛生」(2)上下水・汚物処理の読後感
入鹿山 且朗
1
,
谷川 久治
2
1熊本大学衛生学教室
2千葉大学衛生学教室
pp.703-704
発行日 1959年11月15日
Published Date 1959/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202211
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三浦教授の「上下水・汚物処理」の教育内容についての読後感を書けという御命令を受けたが,同教授は私の大先輩であり,そのお講義の方針,内容については敬服して拝読したので,私がとりたてて批判がましいことを書く資格も力もない。ただ長年同じ項目について学生に教えている私として感じている問題について触れる。どうしても講義の下手な故もあつて学生に興味を呼び起すことができないが,講義内容について何か満ちたりないものがあるのではないかと反省している。広い意味の生物学に属する医学を学ぶものにとつて衛生学,とくに環境衛生の上下水や汚物処理の問題になると何となく医学と別途な領域を講義しているように学生に受けとれるのではないかという気がする。最近2,3の大学で衛生工学の教室ができ,その方でこの部門が専門的に取扱われるようになると,益々医学とかけ離れてゆくような気がする。勿論この部門が衛生学の極めて重大な部門で軽視できないのであるが,講義内容または衛生学者のこの方面の研究方向に何かも少しつきすすんでゆかねばならない点があるのではなかろうか。
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