医学生に対する衛生学公衆衛生学の教育・7
学校保健
柳沢 利喜雄
1
1千葉大学医学部公衆衛生学
pp.699-702
発行日 1959年11月15日
Published Date 1959/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202210
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I.序言
学校保健に就て述べるわけだが,その前に一言衛生,公衆衛生学教育の全般に就て我々の学校のことを述べる。千葉大学では今まで医学概論(医学哲学)の講座はなく,ただ教授の興味によつてその様な考え方が教えられていた。
ところが最近の学生の傾向として,余りにも問題を割切りすぎるのではないかとの論議がなされだした。勿論その事自身が悪いわけではなく,かえつて進歩である一面もあるが又反面たしかに考えなければならない問題でもある。この様な悪い意味のRealismに対してもつと深くつきこんで考える教育の必要がおこつてきたわけである。その為には医学哲学の授業が要請される。ただ実際問題になるとその担当者の人選の困難性がある。そこでとりあえず今年の後期から2年生に正規授業として医学概論を課することにきめた。そしてその一切の企画運営を公衆衛生学の教授にまかせられた。なぜなら公衆衛生学の授業に際しては最も直接的に学生がこの様な問題と対決する場面が多いからである。
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