特集 健康教育と公衆衞生教育
私の衛生教育時代
加藤 光徳
1
1労働省
pp.78-79
発行日 1956年11月15日
Published Date 1956/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201757
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私の衛生教育時代という題で何か書くようにとの依頼があつたのであるが,如何にも古い時代の思い出を書かされる感である。しかし私が衛生教育に興味を持ち出したのは僅か6年前のことであり,しかも地方において公衆衛生の実務にたずさわつている間に感じたことどもを衛生教育的に考えることを続けていたに過ぎない。従つて私の衛生教育時代というような長い経験のものではなく衛生教育については少しの経験しか持つていないというべきであろう。ただ,この短かい期間において衛生教育が行政と如何に結びつかなければならないかを考えたことは多少とも意義のあつたことと思われる。
1949年頃までの衛生教育は衛生教育担当者のみが考えた衛生教育であつて公衆衛生全般への響をもたなかつたし,衛生教育実施の上に一つの行きづまりを感じさせられるものがあつたようである。従つて衛生教育について興味もおこらなかつたし,単に係員に任せておいただけであつた。
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