特集 生活改善運動の課題
丹下坂さんの記録を讀んで
石垣 純二
pp.43
発行日 1955年11月15日
Published Date 1955/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201613
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まずこの記録を読んで,私は相変らざる丹下坂さんの熱意に打たれたのである。前半の受胎調節の必要性を,じゆんじゆんと説いておられるところにしても,「何んだ,誰でも知っていることではないか」と酷評する人もあるかもしれない。しかし,それではあなたにはその知っていることについて,どれだけの事を実行してきたかと反問されたなら,それに答えられる入がどれだけあるだろうか。
受胎調節運動というのはもうからない仕事である。金にならない仕事である。そのもうからない仕事に自分の生活をかけ,全力を傾倒するということは,実はそう簡単なことではない。私は女史のこの勇気と実行力には蔭ながら敬意を表してきた一人である。
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