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公衆衞生医師要員の補充対策
聖成 稔
1
1厚生省保健所課
pp.40-43
発行日 1955年2月15日
Published Date 1955/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201531
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1.公衆衛生に従事する医師不足の現状
広汎にわたる公衆衞生の仕事を行つてゆくためには種々の技術者が必要であることは言うまでもない。即ち医師,歯科医師,藥剤師,獣医師を始めとして助産婦,看護婦,保健婦,栄養士,レントゲン技師等がそれであるが,この中最も充足の困難なものが医師である。我国の衞生の仕事が防疫を中心とした取締行政であり,従つて警察署を第一線機関として業務が展開された明治,大正の時代はさして問題にならなかつた様であるが,昭和13年に保健所が誕生して漸く我国の衞生行政も技術者を中心とする指導行政に転換してからは,この公衆衞生に従事する医師職員の必要性が痛感されて来たので,保健所を始めとして種々の施設や官公庁に定員がおかれ予算措置も講ぜられたのであつた。
然し戦争中は,多数の医師が軍医として応召されたために診察に従事する医師さえ不足を告げていたので,公衆衞生に従事する医師の充足は到底不可能であつた。
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