特集 最近の寄生虫問題
時評
医師実地修練と保健所
齋藤 潔
1
1国立公衆衞生院
pp.12-13
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201236
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終戦後のわが国教育制度に大変革が行われて,数年を経た今日,各方面に安定を欠いて,動搖が見られている際に,わが国学制80周年の記念式典が盛大に行われている。
わが医学教育制度に於ても,未だ落付くところに来ていないで,同様の惱みがつづけられ,今後幾多の経験と工夫と理論の討議とが行われねばならないであろう。ここに数年の経験の後に,実地修練制度についての欠陥が現われ,各方面の注目をひいている。世上にはこのインターン制度の廃止を叫んでいる向きもあるが,厚生省も医師国家試験審議会も改善しつつ存続する方針をとつているようである。そして改善の要点は,修練生の身分,修練生の生活費,修練機関の整備と受入施設修練の内容,指導能力等であり,更に根本的には学校に於ての医学教育中に修練期間を包含させることの可否などである。医師国家試験審議会実地修練部会委員会に於ては,これらの項目について各方面の意見を参照しつつ審議が行われた。筆者は公衆衞生の修練を代表する委員として東京都中央保健所長奥野博士と共に委員会に参加したのでここにその経過を報告すると共に,保健所に於ての修練のあり方について所見をのべ,保健所職員各位の御批判を得たいと考えるものである。
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